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塗装と組立

A 橋桁の塗装
鉄橋の形をしていますが腹板にはアクリル板を使用しているので実質は鉄=アクリル橋です。材質の違いが判ってしまう塗装では困ります。
塗装直後にはそれほど差がなくても素材との関係で耐候性や経年変化による違いが出てくる心配もあります。

ほとんどメンテナンスのいらない鉄橋ですが塗装だけは必要ですから,再塗装が楽にできることを主にして塗料の種類を決めることにしました。
 

1  下塗り

塗装の第一段階は下塗りです。通常,鉄とアクリルとでは異なる下塗り塗料が塗られています。
鉄は錆びを防ぐための「錆止め塗料」,アクリル板は錆びない代わりに塗料の付着がよくないので「プライマー」を塗っているようです。


第3橋梁の場合,素材の違いが分からない様に上塗りは同じ塗料を塗りまが,下塗り塗料も同じものが使用できれば好都合です。

そこで,共通の下塗りに使えそうな塗料を調べた結果,ミッチャクロン(商品名)を塗ることにしました。
ミッチャクロンの缶に鉄,アクリルの下塗りに最適のマーク◎が記されていたので条件に合います。


鉄部の下塗り
ミッチャクロンは筆塗りです。ニス塗りに似た光沢になりました。塗膜は薄い方が良いらしいのですが,吹き付けよりはかなり厚くなってしまいます。 鉄の部品はほとんどが小物で,数が多く塗装には根気がいります。
(左写真)アングル材のミッチャクロン塗りです。 樹の枝の影も写っています。
アクリル板の下塗り
アクリル板は塗料をはじくと思い,鏡面部分に#100のサンドペーパーをかけました。
(右写真)表面をやすり掛けした腹板とまだ鏡面のままの腹板です。

ミッチャクロンを塗布してみると,まるで」接着剤を塗っているような感じになり塗り始めてから2〜3秒で塗り拡げるのが困難になります。
腹板片面(0.375m2を5筆10秒以内で塗るスピード=手際のよい筆捌きにするとなんとか広い範囲を塗ることが出来ます。

アクリルが溶けている様な密着状態になりますからサンドペーパー で表面をザラザラにする必要はないようです。また,筆塗りではなく吹き付けにしないと薄い塗膜になりません。

2  上塗り

風雨に曝される橋梁を綺麗に保つには頻繁に掃除をし再塗装も必要です。その場合,橋を分解して塗装し直すのは大変なので傷んだ箇所のみの部分塗装が中心になります。

野外での塗装は架橋したまま鉄もアクリルも区別せず,スプレー缶入りの塗料を吹き付ける方法ならば簡単です。

そこで再塗装にスプレー缶を使うことを前提にすると,最初の塗装から使用するスプレー缶を特定しておき,後の部分塗装はすべてこのスプレー缶で塗装すれば,補修箇所が目立たず全体的に塗料の種類と色が一貫性をもつことになります。
安定的に長期間販売が継続するスプレー缶でなければ意味がありません。予備を買って置くことと,将来的には全塗装し直すこともあり得ます。

塗料の種類
下塗りに使用したミッチャクロンの缶に上塗り塗料との密着度が記されており,アクリルラッカーとの密着度が最適を示すになっています。
アクリルラッカーのスプレー缶はホームセンターで入手が簡単なのでアクリルラッカーに決めました。

橋梁の色
スプレー缶の場合,色は限定され選択の余地はほとんどありません。実際の鉄橋でも多く塗られているダークグリーンにしました。

鉄とアクリルの塗装
鉄とアクリルを使用したので同じ質感になるのか上塗りが済むまで気になっていました。結果はほぼ似た感じの仕上がりです。
(右写真) デジカメの画像は同じ自然光が当っているのに被写体への当り方で肉眼とは違う色に写ります。

色を正しく撮ろうと空が映らない低い角度の朝日を当てて写してみました。 肉眼に近い色で写りました。
フラットバーとアクリル板の塗装はよく見ても分からない程度に似ているます。


ネジの塗装
ネジはナットも含めると350本(個)位になるので,塗装しないと「金ボタンの服」を着たような鉄橋になります。
今回はミッチャクロンの下塗りを省略して上塗りだけにしたのがいけないようで強く擦ると塗料が剥げ落ちます。
とりあえず完成時の補修塗装をやや多目に吹いて色落ちしたネジの頭を隠すことにします。
(右写真) 5mmネジと座付きナットの塗装です。ネジはダンボールに挿して頭だけを塗装しています。「尻隠して頭隠さず」の簡略化した塗装です。
 
 
B 橋桁の組立
部品数が多くネジ止めで組立てるので取付け位置を間違えないように各部品に刻印をしました。

上下左右が対象的になっている橋梁の部品に0〜9の1桁の数字の刻印で済ませています。
対象性から1つの部品でも4箇所に取り付け可能となる場合があり,最初に各接合位置に部品を並べ,間違いが無いか確認します。

(写真)主桁の部品を取付け位置に合わせて並べて準備をしています。日向で写真を撮ると 画像はダークグリーンでなく青緑色に写ります。
組立手順は5段階で,使用部品はA〜H(前頁参照)です。

(1) 主桁枠の組立(部品C,Dを使用)

アングル材で作った部品Dは片面に9本ずつ縦にならべます。
このとき,8本は同じ向きに並べ最後の1本のみを反対向きにして,上から見たときの並び方を等間隔に

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となるようにしました。
(写真/左)部品Dの1本を反対向きにしないと主桁の両端が左右対称になりません。8番目のアングルDと9番目のアングルDは反対向きに取り付けます。

(写真/右)腹板を取り付けた1番目のアングルDと2番目のアングルDの部分です。 同じ向きになっています。

(2) 腹板の取付(部品B,Gを使用)

主桁枠を構成するアングルを組み立てた5mmネジも併用して,多数の3mmネジで腹板をアングルに固定します。

(3) 横桁枠の組立(部品F,Hを使用)

左右の主桁をアングルで結合する横桁枠(部品F)を取り付けます。

更に,斜めにフラットバー(部品H)を取り付けて三角形(トラス構造)が構成されるとデッキガーダー橋の基本的な枠組部分の完成です。(各写真)

(4) 腹板固定板の取付(部品Eを使用)

主桁枠は縦横直角にアングル材を組合わせてネジ止めしているので,腹板との間に隙間ができる箇所があります。この隙間を塞ぐためのフラットバー(部品E)を取り付けます。

全部で32箇所を塞ぐので現物合わせが必要な箇所もあり,かなりの手間です。ただ,これを挟むと腹板の固定が強固になり強度が増します。
(上写真/右)
*印の箇所に部品Eを挟み込んでネジ止めしています。

(5) フランジの取付(部品Aを使用)

主桁枠,横桁枠,腹板の接合部を塞ぐ形でフランジ(部品A)を取り付けます。

上フランジには枕木 が直接載り,下フランジの下側には支承に載せるための金具が付きます。(右写真)
 

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