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利用機器の製作

(1) ソーラーパネルに適する機器

● ソーラーパネルで発生させた電力を効率よく消費するにはどのような機器に供給するのがよいのか,システム構成を決める上で気になるのが機器の選択です。

最適と思われる機器
当然,太陽が出ている昼間に電力を消費する機器がよく,日中使用する100〔V〕器具の内,12〔V〕化できるものがあるか調べてみました。

結果は「ゼロ」,普段使用している交流100〔V〕の器具で12〔V〕代替品は殆どありません。

次善の機器
昼間,消費できなければ一旦バッテリーに蓄電して夜間消費します。次善策として蓄電された電力を消費する機器までを含めた状況について考えてみました。

手順はバッテリーの電荷の取り出 し方を検討し,消費形態の違いから機器を絞り込みます。(下欄,余談

● 電気よりは水の方が考え易いので,水に置き換えてみました。
右図は水(=電気)流入量=貯水容量=放出量の関係 として描いたものです

A:流入量Xにばらつきが大きい場合,無駄なく貯水するためには容量Yの大きなタンクが必要になります。

B:流入量Xが一定ならば容量Yの小さいタンクにすることが可能になります。極端な例として,流入量=放出量ならば貯水タンクは要らないこと(容量Y=0)になります。

流入状況によって必要なタンク容量が変わりますが,この関係を「裏返して」みると,放水状況によっても必要とするタンク容量が変わることになります。

C:放水量Zが変動するときの場合です。ピーク時間帯の最大放水量Zでもタンクが枯渇しないためには容量Yの大きなタンクが必要です。

D:放水量Zが一定ならば流入量Xを平準化した値Xcが放水量Zを下回らないXcZが条件になります。
Xc
を確保できる最低限の貯水量がタンクに残っていればよく,平準化する目的に限定してしまえばタンクの備蓄量は多くなりませんから小さなタンクで間に合います。

(注) 図Cと図Dだけを見ると,総放水量(=棒グラフの全面積)が同じなので必要なタンク容量は同じになると錯覚しそうです。
実際にはタンクへの流入と放出が随時行われるので,
放水ピーク時にも耐えられる貯水残量=タンク容量とすればよく,総放水量(=棒グラフの全面積)タンク容量 となります。

● ≪タンクの容量≫と≪変動する放水量≫との関係は電気に置き換えても同じで,バッテリー容量が小さくて済む電気器具の種類が分かります。

具体的には不定期に大電流を流す器具(例えばエアコン等)ではなく,定電流を長時間流 し続ける器具(常夜灯など)の方が小さな容量のバッテリーで済むことになります。

(注)
使用する総電気量が同じなのにバッテリーの容量に大小の差がでるというのは“変な話”に聞こえます。手短に言えば,バッテリーの充電が昼間のみに行われる条件下では使用電力量が大きく変動する 機器は夜間に過放電になる可能性が高くなります。それを避けるため,エアコン等に使用する場合にはバッテリー容量を大きくして備える必要があります。

(2) LEDスタンドの製作

夜間の使用で電圧が12Vの器具は限られています。電力消費にムラが少ないという条件まで加わると「照明器具」しかありません。
実際にソーラーパネルは夜間照明に使用している例をよく見かけますが,条件な適っていると思います。

照明器具で電圧12Vの市販品は自動車用と庭園用が殆どで室内で使えそうなものは見当たりません。
キャンピングカーの室内照明用のものがいくらかありますが,特殊な利用目的なので構造やデザインが一般的ではありません。

そこで,停電時に使用することと,12V照明器具全般の製作につながる構造を検討する目的でLEDスタンド≪第1作≫を作ることにしました。

(上写真)使用するLEDユニット(12V〜14V,60mA)です。12個のLEDがアルミ円板の上に取付けられています。
このユニットは1時間の点灯で0.06〔Ah〕の電荷をバッテリーから取り出すだけなので,バッテリー容量(
通常105〔Ah〕のものを使用)を云々する消費電力ではありません。

(左写真)LEDスタンドの支柱にする「デッサン人形」です。 身長は31cmあり,写真は走っている姿ですが人形が円筒形の光源を持ち上げて照らしている姿にするとインテリアとしても面白くなりそうです。
光を照射する方向を自由に変えられる様に作ると実用性もアップすると思います。

LEDユニットは電球などに比べて光源部を小型化出来ます。ただ,発熱量が大きいので単純に小さくすると放熱 が問題になります。
また,LED
強い光が直接眼に入らないような形にすることも必要で,この2点 も考慮したLEDスタンドにします。

(右図) 光源部を分解した断面図です。主な部品はA〜Dの4点です。

金属カップAを使用することでLEDユニットBの放熱を助け,深めのカップの底にLEDを取付けるので覗きこまなければ強い光が目に入ることはありません。

製作するのはプラスチック板を加工する円板CDのみで,Eはセパレーター(肉厚チューブをカットしたもの)です。

(写真/左)写真の透明なプラスチック板は大きい方がC,小さい方がDです。各々B,Dの電極を絶縁し,金属カップAの底を挟んで全体を一体化します。

(写真/右)リード線を付けたLEDユニットと円板Cを金属カップ の内側に納めました。後は中心のネジで円板D止めると光源部が完成します。
このネジは光源部を他の物に取付けるネジも兼ねています。

(3) 完成したLEDスタンド

デッサン人形が「投光器」を高く持ち上げて足元を明るく照らしている姿にしました。

その時々に合わせて,人形の姿勢を変えれば光源の高さや方向を自由に変えられます。
ただ,人形に対して光源が重いので台座を現在のものよりひとまわり大きくしないと倒れる恐れがあります。

また,消費電力が0.72Wなので光量が少なく,広い範囲を明るく照らすことは出来ません。

一方,12個のLEDによる光源(面光源)は豆電球やロウソクの光(点光源)よりも広い範囲を均一に照らします。
そのため,点光源の場合に感じる周囲の薄暗さをそれ程意識せずに済みます。

(写真)光量は懐中電灯程度ですが,面光源からの光は懐中電灯と違い円形の輪ができず,比較的広い範囲を均一に照らす「柔らかで落ち着いた光」です。

(3) 光源部の改良 《第2作》

上記の《第1作》はLED照明をどのように作ればよいかを調べるための「試作品」, 作る段階から改良が必要な点も分か ります。この《第2作》は《第1作》の改良型です。

《第1作》から分かったこと

(1)金属カップにLEDユニットと嵌め込む方法はLEDの放熱とLEDの光が直接眼に入らない点がよく,作りやすい形でもあります。

(2)実用性の面からはLEDの光量を増やす必要があります。

(3)LEDユニットの電極絶縁と金属カップの固定にプラスチック板を入れましたが,この部分はもっと簡潔にしたいところです。

(4)固定場所を選ばず,ブラケットやペンダントにも使用できる形にまとめれば各種器具に共通に使えて便利です。

この4点から《第1作》を見直したのが
《第2作》です。(左下図)

光量を増やすため金属カップA大きくし,LEDユニットB12V,200mAと大型化しました。
プラスチック円板を使わず,LEDユニットはネジCで金属カップに直接固定します。
●ネジDによって金属ケース何処にでも簡単に取付けられるようにしました。
金属カップとLEDユニットのサイズが偶然一致していたことがこの構成を可能にしています。材料は金属カップとLEDユニット,ネジは2種3本ずつで,これ以上は単純化出来ない構成です。

(上写真) 使用したLEDユニットはリード線の配線を表面からとるタイプです。裏面は絶縁する必要がなくなりました。写真のネジCは長いものが付いていますが 短いものに替えると完成です。

 2013.10.26 **********************************

(4) 「電球仕様」の光源 《第3作》 

昔の照明器具はソケットに電球を捻じ込めば使用できる構造のものが殆どでした。
この感じでLED光源を作るとどの様になるか,《第3作》は電球仕様の光源です。

100V用の電材は完成度が高く,多種多様なものが揃っていて安価です。
一方,12Vの電材は自動車用しか手に入らず,商品数が少なく高価です。それならば100V用の電材を利用して12Vの器具を作ればよいというのが
《第3作》の動機です。

構造は右上図のようになります。口金(E26)は100Vの電球に使われているもので,中にLEDユニットを入れます。
(右写真)小型のLEDユニットなら口金の中に入ってしまいます。 写真は配線が終わった段階ですが,ユニットを固定すれば完成です。至って簡単です。

100V電球形のLEDは市販されていますが,12V用で口金がE26の電球形LEDは見かけませんから自分で作るしかありません。

電球のガラス部分を割って取り去り,口金をLEDのケースとして利用します。ソケットに捻じ込めば使えるので器具部分を製作する手間が有りません。
12V用のLEDは器具の製作や取付け方法を考えるのが結構大変です。電球(口金)形にして100Vの照明器具類を12V用として使うための苦肉の策です。


LEDには+,−の極性があり接続には極の確認など注意を要します。口金の中心を+,ネジ部分を−と決めておけば極性を誤ることもありません。
整流器内臓のLEDユニットならば極性を気にする必要もなくなります。

余談 効率よく電力を使うのは昼間に発電して日中消費するのが良く,夜間消費は最善ではありません。ここに記したことは夜間を含め,バッテリーの電力消費にはどの様な機器が適しているのか,些細なことを一種の「遊び」で書いたに過ぎません。人形が照明器具を持つ姿など「遊び」の要素ばかりですが・・・・。

夏のサンルームは日射で高温になった時,窓を開けなければ40℃を超えます。換気扇を回して外気を取り入れるなど,日照中に電力を消費する方法も試みてはいます。これも「遊び」の要素が半分です。

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