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駅舎小屋/屋根パネルの製作

(1) 屋根の設計
webサイトで調べると軸組工法の屋根は「棟木」「母屋」「軒桁」の上に「垂木」を渡し,「野地板」を張って荷重を鉛直な柱で支えるのが基本構造のようです。
(右図)

この部分に2×4工法のパネルを使い屋根を一体化すればドーム構造になり,「棟木」や「母屋」の無い構造が考えられます。
球殻状のドームではありませんが直径が1間程度なので平面でも積雪に耐えられると思います。

屋根にはたらく重力を鉛直方向以外にも分散し,壁パネル全体で支えて「棟木」や「母屋」の無い構造にします。

形の上では「棟木」に見える2×6材を挿み込んで,棟部分のパネルの結合を強化し,パネルの剛性を高めます。
美観的には2×4材と2×6材が室内天井の梁(合わせ梁)のように見えることを想定し表面が綺麗な材料を使います。

(上図) 小屋の屋根は4枚のパネル(三角形の妻壁パネルAと屋根パネルB)のドーム型一体構造にします。壁パネルで造った「箱」に屋根パネルの「蓋」をするイメージで造ります。

屋根のサイズはアスファルトシングルの横幅(915mm),屋根勾配(2/3勾配),軒先の出(450mm)などの条件から決めました。

(軒の長さを3640mmとした理由)

長さ3640mmの木枠に幅910mmの合板を4枚(=910×4=3640張り,その上に915mmのアスファルトシングルを4(=915×4=3660横に並べて張ります。
合板の縁には水切り金物を取り付けてアスファルトシングルは水切り金物より両端を10mmずつ外側に出 します。これらの関係は
          3640=(915×4)-2×10
3640mmは材料の無駄(端材)が無く,カットする箇所も最少になるサイズです。

 

(2) 妻壁(三角パネル)

(写真右) 妻壁の上部の枠組みです。最初の設計では中央の支柱から左右に補強材を入れる予定でしたが強度的には省略できそうなのでこの状態で合板を張ります。

三角形のパネルの室内側に張る合板は比較的木目が綺麗な板を使用してそのまま板壁になるようにします。
(写真左)上下のパネルを結合して妻壁部分が出来上がりました。

パネルの屋外側は屋根を完成させて窓を取り付けた後,杉板を帯状に並べた下見板張りにします。

 

(3) 屋根パネルB

棟木を三角パネルの上端に渡します。棟木はSPF,2×6材を使用しました。(右写真)

棟部分で屋根パネルをつき合わせますが,つき合わせ面の幅が約100mmになるので,この幅より広い140mm(=6F)の板を棟木にしました。
天井を見上げたとき,この棟木は「梁」のように見えますが,3枚重ねになる板の中央を太くすることで「梁」らしさを強調する目的です。

大きく重量のあるパネルを完成させてから屋根の高い位置まで引き上げるのは困難です。枠木の段階でロープを使って引き上げ,棟木や三角パネルに接合 後,合板を張ります。(上写真)

2枚の屋根パネルの直接接合ではなく,140mmの棟木を間に挟んだので屋根全体の強度がかなり増しました。
屋根パネルと壁パネルの接合も直接ではなく,壁パネルに取り付けた軒桁を介して行いました。軒桁には切り込みを入れ,この溝に屋根パネルの2×4材(垂木)を嵌め込 んでいます。(下写真)

屋根には合板を縦方向に8枚並べて張りました。勾配が強く屋根に乗るのは危険なので,室内に脚立を立て垂木の間から身をのり出して張りました。

 

屋根パネルの製作/駅舎小屋





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