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   DD20形 補助機関車 

  車台製作

車台枠は鉄アングル材のネジ止めで作ります。台車の旋回性能の向上を図って「旋回輪」をもつ構造を考えてみました。

車台の設計

長さ1m,重量30kg,手で持てる箇所が少ない機関車を一人で運搬するのは大変です。そこで車台枠を設けて車体と走行装置とが分離できる構造にし重量を二分します。上部の車体を外して走行装置が整備出来ることで取り扱いも容易になります。

製作する車台枠の主な構成は図のようになります。

A 車台枠側梁
B 車台枠横梁
C 台車旋回補助輪受け
D 中心ピン支持梁
E 中心ピン支持金具
F 連結器(高原鉄道型)
G 足置き板取付金具
H バッテリー据付け台
I
 
足置き板

ボギー台車の車台への取り付け方はボルスタレス台車に似た形です。車体の横揺れを抑え ,急カーブでの旋回性と安定性を良くするために台車の四隅に小型キャスターを取り付ける構造にしてみました。Cの下面でキャスターの車輪を受けます。

 
 

  車台の製作

A 側梁  B 横梁

車台枠はホームセンターで簡単に入手できる鉄材のみで作り,わざわざ特殊な材料を使用することはしていません。

強度があり立体的な構成が容易なのはアングル材(断面がL字型をしています)なので,アングル材を主体にして作りました。
(右写真) 側梁と横梁に使用したのは同じ材料で25×25mmの鉄アングル材です。最終段階の組立前の状態なので,各梁には部品を取り付ける箇所にネジ穴が多数開いています。

組立はすべてネジ止めで,ネジの径も特殊な場所を除いて径4mmに統一 しています。
また,必要性が無い限りナット類は使わず,車台枠にネジを切ってドライバー1本で車台枠が組立・分解できるようにしました。
交流3線式Oゲージの「電関/電気機関車の略称」から鉄道模型に入門しましたので,「電関」のように完成後も分解・組立が自由自在に作るのが習慣化し,模型は再分解することを前提にしています。このために,各々の接合箇所は現物合わせで下穴を開け,ネジを切ることになります。また,各部品に刻印を打つ必要もあります。

(上写真) 側梁,横梁(中間梁)を組み立てたところです。この状態では歪みますが,他の部品を取り付けると側梁と横梁は正確に90°になります。

C 台車旋回補助輪

カーブで旋回するボギー台車がどの様な急カーブでも滑らかに回転し,車体の安定性が損なわれることがないように台車の4隅に「旋回補助輪」を付けました。
乗車した人と車体の重量は4個の「補助輪」によって直接台車全体にかかるようになります。

実際の車輌のような枕梁は無く,中心ピン(センターピン)の位置を保持 しているのは特殊な形のピン支持梁
D です。
スケールを度外視した人の乗る「小型鉄道」では,単に実際の鉄道のミニチュア化では無理が生じ,「小型鉄道」にはそれなりの構造・形を考えることが必要 だと思います。この車輪,名前の付けようが無いので「旋回補助輪」としました。

(写真上) 耐加重10kg重,25mmのナイロン固定車輪のキャスターをそのまま「旋回補助輪」として使用します。キャスターは金具12によって台車 に取り付けます。Cは「旋回補助輪受け/2種」です。

(写真右) 補助輪/台車側
台車枠の4隅に載った「旋回補助輪」です。

(写真左) 補助輪受け/車台枠側
「旋回補助輪受けC」を車台枠に取り付けました。Cは40×40mmの鉄アングル材を加工したもので,補強材として車台枠の一部になります。

D 中心ピン支持梁 E 中心ピン支持金具 F 連結器

台車の中央近くにモーターを載せているので,モーターは中心ピン(=センターピン:鉄道用語)の上を塞ぐ形になります。そのため中心ピン支持梁D を台車の中央に取り付けることが出来ず,支持金具E によって横方向から中心ピンを保持します。
中心ピン支持梁
D には連結器F(そばな高原鉄道専用です)取り付けます。
連結器は他の車輌と軽く”衝突”させる部分でもあり,解放時には常に直進方向を向いている必要があります。バネによって左右から引いています。
(写真上) D中心ピン支持梁E中心ピン支持金具F連結器

(写真) 連結器に取り付けたバネは「生きた蒸気機関車を作ろう」(下記注1の記述を参考に自作した引張コイルバネです。
径0.9mmのピアノ線を径5.8mmの鉄丸棒に43回巻くと出来上がりの外径8.4mm,38巻になりました。バネ定数は0.45N/mm (=44g重/mm)程度です。
 

G 足置き板取付金具  H バッテリー据付け台  I  足置き板

車台枠は2段構造で上段に台車 ,駆動装置,連結器などを取り付け,下段は「足置き板」とバッテリーを上段から吊り下げています。

「足置き板」はトンネル通過時に底面を擦るおそれがあり,ギリギリまで下げてレール面から4cmの高さに2種の金具
G-1G-2 で取り付けました。
「足置き板」の材質は堅木のセラガンバツ材で薄くても強度があります。
(写真右) 足置き板取付金具G-1はバッテリーを載せる台も兼ねています。G-2は足置き板 を内側からのみ支えるタイプの金具です。

「バッテリー据え付け台」は使用できるバッテリーの範囲を 狭めないように,幅×高さのサイズが「B」であれば,いずれの長さでも載せられるようにしました。

(写真左) 足置き板 I とバッテリー据え付け台 が完成した状態です。バッテリーは台(アングルH)に載せるだけで特に固定はしません。

 

(注1書名:生きた蒸気機関車を作ろう/平岡幸三著/機芸出版社

(製作費) 鉄アングル(25×25mm,40×40mm,他),鉄角パイプ(25×12mm),鉄フラットバー(25mm,13mm) 計約1200円, キャスター(固定車輪/8個) 672円, ピアノ線(径0.9mm,25円/m) 112円,セラガンバツ材 約800円,ネジ類 約760円,塗装 約400円
合計
(車台枠の製作費総額) 3,944円

 

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