そばな高原鉄道軌条の敷設分岐器レール(表示中)

 
 鈍端トングレール分岐器

レール 急行 home  行き↑(クリック

取り扱い易い分岐器の長さは180cm以下が良く,全長165cmにしてアルミレール を8m使います。切断と曲げ加工後に塗装します。レールの固定に犬釘を使用すると抜くことが困難になるので修正や交換のことを考慮してネジ(ワッシャーヘッド)止めにします。
(1) レールの曲げ加工
 
レールの曲げ加工

使用したのは加工が楽なアルミレールのみです。アルミレールは慣れてくると素手でも曲げられるので,特別な道具を使いませんでした。

レールの曲げは大雑把に曲げたレールを修正して目的の形にします。堅木で凹凸の円柱面をもつ当て木をセットで作り,当て木の間にレールを挟ん万力で強く締めると狭い範囲を好きなように曲げられます。

(写真/左)万力で挟まれた部分が強く曲げられています。外すと少し元に戻りますが強く曲げたい時はこれを2,3回繰り返します。

ウイングレールやガードレールの端部の折り曲げはレールの底をV字にカットして万力に挟み,ハンマーで軽く叩くか素手で曲げます。

(写真/右)ガードレールの端部です。V字の切り込み部分を万力の口の端に合わせて挟んであります。レールの底全体が同一平面になるように注意しながら曲げました。
 

● レール固定個所の加工

正しい位置に並べた枕木上にレールを置いてネジ止めする箇所を決め,半円形の切り込みを入れました。
切り込み箇所をネジ止めすればレールが枕木に対して滑ることがなく,軌きょうが型崩れしません。レールの長さが決まった段階で継目板の取付穴も開けます。

(右写真)
継目板を取付けたレール端部です。白矢印の半円形の箇所を枕木にネジ止めします。レールを半円形に切り欠く作業は200箇所位 なのでかなり時間を要します。分岐器を変形させないためにこの切り欠きは有効です。

● トングレールのヒンジ部

継ぎ目板で緩く留める滑節構造(右図A)は実際の鉄道で も用いられています。簡単に作ることはできますが,より確実な動きをする関節構造(右図B)にしました。
材料は9mmのアルミ角棒,回転軸のピンは径2mmのステンレス線です。

(左写真)
関節構造は振り分け分岐器でも作りましたが,材料をアルミ片に変えて作ってみましたシンプルな形で素材の統一感と作り易い点が特徴です。

● トングレール受け金具*1

鈍端トングレールを正しい位置に止めるための金具です。この継ぎ目板のような金具が最も簡単だと思います。

(右写真) 番号3〜4Bの枕木に 固定する長さ103mmのレールです。両端に鈍端トングレールを 受ける,幅9mm,厚さ1mmの真鍮板をレールの側面に取り付けました。

● ウイングレールの曲げ加工

リードレールとウイングレールは連続した1本のレールにしました。長いレールは万力に挟んで曲がり具合を見ながら適当に素手で加減しながら曲げていきます。修正も素手で簡単にできます。

(左写真)
ウイングレールの端部はレールの頭を斜めに削り落し,セパレーターを取り付ける穴を現物合わせで開けて完成です。

● レール間隔を保つセパレーター

クロッシング部とガードレールレール部分にはレールを所定の間隔に保つために真鍮管で造ったセパレーターを入れます。
セパレーターは実際に車輪や台車を通してみて最適な長さのものを作りますから,入れる場所毎に長さが異なります。

(右写真)外径4mmの真鍮パイプの内径 が3mmなので,3mmのネジをセパレーターにするパイプに通し,2本のレール間に挟み込んでねじ止めすればセパレーターの出来上がりです。
真鍮パイプの輪切りは金鋸や糸のこでは切り難く,パイプカッターで切ると少しバリがパイプの内側に出るので修正しないと3mmのネジが通りません。その点 のみが難点です。

 
(2) クロッシング・ブロックの製作
レールの高さと同じ18mmの鉄角パイプがあれ作り易くなります。無かったので16mm角のものを2mm浮かせたクロッシング のブロックを作ります。

右図は左方分岐のクロッシング・ブロックの形状です。クロッシング角の正接(tanθ)は16/52(3インチ半ゲージ)と16/43(5インチゲージ)になります。(基本設計参照

内部が中空な角パイプは 錆が出る恐れと強度で問題がありますが,ディスクグラインダーでのカットが楽になる長所もあります。

(左写真)ディスクグラインダーのカットが済んだ左方分岐用のクロッシングブロックと罫書きが済んでこれからカットする右方分岐用の角パイプです。粗加工の作業時間は1本,1時間程度で5インチと3インチ半ゲージのクロッシングが簡単に出来上がります。
 
(3) 塗装

● レール
レールの色はこれまで濃い茶色,チョコレート色,ブロンズ色,オーク色などを筆塗りや吹き付けで塗っていました。今回はぶどう色1号(旧国鉄車輌の濃い茶色)のラッカーを吹き付けてみました。
思ったよりも黒くなったので茶色のアクリル塗料を一吹きしてみると,梨地の模様になり複雑な色調で実際の線路の感じです。

(上写真)
頭部にマスキングテープを貼り,ぶどう色1号を吹きつけ,その上に茶色を散らしました。写真では茶色が強く出ていますが,実際は茶色は弱く,吹きつけムラがあるのが自然な感じを醸し出します。このページ前半の無塗装アルミレールと比べると 完成度の違いが分かります。

● クロッシング・ブロック

黒色のアクリル塗料を吹き付けたところ,レールとのバランスが良くないので,レールと同じようにぶどう色1号を塗り茶色を一吹きしました。
(写真)
レールとは逆に光の関係からか茶色が弱く写っています。旧国鉄色の「ぶどう色1号」の機関車は濃い茶色にしか見えなかったので名称に疑問を持っていましたが,この色なら「ぶどう色」に納得です。

片開き分岐器 レール



枕木組立