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路盤工事

(1) 軌条(レール)を敷く位置にテープ等を張って,地面に正確な線を引きます。家を建てるときの地縄張りに相当します。

(2) この線(テープ)の両側に2本の杭(水杭,右図中の棒Aを2m位 空けて立て,双方の杭に電子水準器で正確に基準水平面の高さをマーク(ベンチマーク)していきます。

(3) この杭のマークの位置に棒(水貫,右図中のBを水平に取り付けて鳥居形を作ります。 この棒は作業の邪魔になることも多く,頻繁に外します。水杭や水貫の実際の様子は下の写真の随所に写っています.

この(2)、(3)の作業は手間と時間がかかっても同一の水平面上に軌条を敷設するためには手抜き ができません。
(4) 地下60cmまで土を掘り下げ,円形軌道になる部分は円の中心に立てた杭から正確に半径を測定 しながら砂利を入れてつき固めます。
目分量では不正確です。
(5) 型枠を線路の形に設置し,厚さ7〜10cm,巾50cmのコンクリートの基礎を作ります。急曲線でなければ緩和曲線は無視します。
基礎コンクリートの上面の高さは水貫から正確に測りながら作業します。
(6) 基礎の上に10cmブロック 1段目を積みます。「ブロック塀」を間隔20cmで並べたような形になります。
ブロックの円弧の半径とブロックの水平を正確に測りながら1段目が積めれば2段目の作業は楽に進みます。
(7) ブロック1段目の上に10cmブロック(横筋用)を積んで高さ40cmとします。
ブロックの穴は空洞のままで構わないので,横筋用を使うと作業効率が良くなります。
(8) 平行な「ブロック塀」の間に発泡スチロールを入れます。
発泡スチロールは面が広く厚みのあるものが良いのですが,カットして隙間が出来ないように詰めていけば小片でも使えます。上にコンクリートを打ったときに潰れない強度 が必要です。

発泡スチロールの間には後で電線を通すための電線管入れていきます。
右写真左側に橙色に写っているのが2本の電線管の接続部(引き出し口)です。
余談

工事に着手したときは基礎やブロックに9mmの鉄筋を入れ,ブロックの穴にもコンクリートを詰めて頑丈な造りにしました。
しかし,長さが10m,20m・・・と延伸される場合,この路盤が頑丈な一体構造を保つはずが無いので,弱いところが適当に壊れる方が歪を分散させると考え,造り方を変えてみました。
軌きょうは路盤に固定しないので,路盤の壊れや歪みがでても軌きょうに直接影響は及びません。

正確に 作ることを心掛けましたが,精度がよいと材料,技術よりも見栄えに関係し,脱線しない軌条を造るために必要ではないかと思います。見えないところ程より「正確に」 つくる・・・ライブ製作と同じです。

工事1年半後,「予想通り」鉄筋を入れた区間(頑丈な構造?)と入れない区間の境界付近に亀裂が入りました。この部分は築堤 になっている箇所でもあり,築堤は地面の不等沈下が避けられず,鉄筋を入れた区間が 一体となって1cm程度傾いたため(測定では分かりませんが)と思われます。

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