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枕木の間隔と線路の形 軌きょうを製作する場合,大型鉄道模型では設置場所に枕木とレールを並べてその場で組立てる(現物合わせ)が最も簡単です。 しかし,トンネル内や凹凸のある路盤上で地面に這いつくばっての作業はたいへんです。 一方,屋内で作る場合には実寸の図を描き図にレールを合わせて作るのが良いのですが,長半径の円や緩和曲線を大きな図(レール方向には最低2m位は必要です。)で ,多数描くことは容易ではありません。 そこで,原寸図を使わず,《枕木とレールが構成する台形から軌きょうを作る》 ・・・という考え方で作ることにしました。 一言で言うと,《隣り合う枕木が並行なときは直線,角をなすときはカーブ》 ・・・・・になることを利用します。 軌きょう レールを枕木に取り付けて上を車輌が走れるように組み立てたものを鉄道用語で〈軌きょう〉と言います。 玩具の電車や汽車を走らせるときに組み立てて使う,あの梯子状の〈線路〉のことです。 |
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計算による軌きょうの製作 正しく曲げ加工されたレールを組み立てるのではなく,設計から求めた位置に枕木を取り付けると正しい曲率のカーブが出来るという 考え方で製作します。 マーク位置にレールの曲率やスラックの要素が含まれるので,計算とマーク付けは正確さ が必要です。 マークされた位置での接合になるのでジグ等は必要がありません。 |
(1) レールと枕木を接合する位置を計算するために,次の簡単な式を使います。 (この式は扇形の弧の長さLを中心角θと半径Rで表す式 L=R×θ から得られます。) L:外軌(外周)の長さ, ℓ:内軌(内周)の長さ R:外周(外軌)の半径 d:外周と内周の半径差(=軌間) とすると 内軌と外軌の長さの比を表す係数が k=(R-d)/R 内軌と外軌の関係が ℓ=k×L となります。 |
上式による計算の例です。 外軌の半径4000mm,スラック4mmを含む軌間131mmの軌道では,次のように内・外軌の長さを求める係数kが計算されます。 k=(4000-131)÷4000=0.967 長さ2000mmのレールを外軌にする場合,内軌の長さℓは ℓ=0.967×2000=1934mm 内軌の犬釘間隔を77mmにすると,外軌の犬釘間隔は 77÷0.967=79.6mm になります。 |
(2)
内軌(カーブ内側のレール)と外軌(外側のレール)の長さを上式で計算してカットし,それぞれに枕木の取り付け位置を計算してマークします。 (右図 レールにマーク●を付けました。) |
(3) 一方,枕木にもスラックを含むレール取り付け位置をマークします。 (右図 枕木にマーク●を付けました。) |
(4) マーク位置でレールと枕木を犬釘で固定すれば,設計通りの曲率(曲線半径)とスラックをもつ軌きょうになります。 ●外軌側の枕木間隔を常に一定値にしておいた場合,曲率を一定の割合で変化させた緩和曲線などでは内軌側の枕木間隔が一様に変わりますので, 枕木からも緩和曲線が分かります。(係数kが変化するので計算は煩雑ですが作り難い緩和曲線の製作に利用できます。) ●この方法による円形軌きょうの製作は軌きょう(その1)にあります。 2005.7.記 |
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