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棒材/整理筒
 

模型製作の材料は多種多様で整理分類して保管するのには苦労しています。大きさと形によって保管の仕方が変わりますが,板材は広い収納スペースが必要になり,棒材は種類の多さが問題です。

棒材の場合,1回の使用量は数cmと短くても頻繁に使う材料なので,様々な太さ形のものを効率よく保管し,直ぐに目的の材料が取り出せる状態にしておくことが必要になります。

狭い隙間に取付られ,目的の材料を見付けだし易いことを主な条件にして・・・「棒材整理筒」を作ってみました。

 

(1) 棒材の種類・サイズ

模型を最適な材料で設計し製作するためにできるだけ多くの種類の金属棒やパイプを揃えておき,それらを見ながら形,機能,構成,加工方法などを検討すると考えが早くまとまります。

常備している素材がどのくらいの数か,真鍮材で数えてみました。直径(断面側)10mm以下のものに限ると,丸棒1mm〜10mm=10種,パイプ2mm〜10mm=9種,角棒/平角棒/アングル/チャンネル≒15種 ,(合計34種類)でした。アルミ,銅,鉄,ステンレスなどの素材がこれに加わるので種類の多さには驚きます。

これらの材料の多くは長さ100cmで購入したもので,少しずつ切断して使い保管されている長さはまちまちです。
長さと種類で分類したり,立て掛けに向いた物,横に寝かす方がよい物など,あちこちに分散して保管していました。総重量もかなりになり次第に手に負えなくなってきました。


(2) 棒材/整理筒の設計

長さ30cm〜1mの棒状の材料を整理して1ヶ所に保管する筒を作ることにしました。
ホームセンターや金属材料店の真鍮棒やアルミ棒売り場などで,塩ビパイプに棒材を差し込んで陳列しているのを見かけます。この方法を参考にした形です。

設計というほどではありませんが,右図の形の筒を作ります。
特徴は様々な長さの棒をまとめて保管するのでパイプの途中に窓を開けて短い棒を入れても中が見えるようにしています。窓の形は局所的にパイプの強度が落ちないよう丸く切りとりました。
棒材の長さが短いものは途中の窓から取り出すことが出来ます。窓から出せない長さのものは上に送って取り出します。

この筒は材料が取り出し易いように床に置かず目の高さの壁に固定します。背板は筒を壁に取り付ける目的も兼ねています。
 

(3) 製作材料

棒材整理の必要性もありましたが,製作を始めた本当の動機は廃物の紙筒を有効利用出来ないかと考え,その「答」を形にしたものです。

材料 紙筒(長さ948mm,外径84mm),背板(長さ1190mm,2×4材),カラー鉄板(巾60mmにカットして使用)
材料としては紙筒よりも塩ビパイプの方が丈夫に出来ますが,積極的に廃物を利用することにも意味があります。
紙筒以外の物も残材です。2×4材,カラー鉄板の切れ端などこのために購入したものではありません。

(写真)材料の3点,これ以外に木ネジを使います。円形に切り抜いた紙は円筒の窓の位置に貼り,そこを切り取ります。

 

(4) 各部の製作

紙筒の加工 紙筒なので一部に強い力がかからないように長方形ではなく円形の窓にしました。

円形窓はのこぎりが使えないので長方形より切り取りが難しくなります。
また,円筒面に円は描けないので,開ける位置に円形の紙(直径110mm)を貼り,カッターナイフで切り抜きました。円形の紙を張 れば切り取り線を描くより簡単です。

(上写真)穴を切り抜く前と切り取った後の状態です。厚いボール紙なのでカッターナイフで切り込みをいれてその深さまで ボール紙を薄く剥がすことを繰り返しながら彫りこんでいきました。

背板 作る前は2×4材の背板では厚すぎると思いましたが,強度的にはこの厚さが必要なぼど金属棒の総重量は重くなります。不細工にみえる分,作るのが簡単で頑丈です。

帯板 厚さ0.27mmのカラー鉄板を切って,長さ285mm,巾60mmの帯板を4枚作ります。
帯板の両端には3つずつネジ止めする穴を開けます。

(上写真)カットが済んだ紙筒と背板の材料と帯板です。

(右写真)カットが済んだ背板,底板の材料と紙筒を並べてみました。特に問題 になる箇所ももない様です。この後コーススレッドで組立てます。

 

5) 塗装と組立  2012.7.21  ************************************

塗装 紙筒は塩ビパイプ程の強度はありません。窓の切取り口や表面に疵が付き易く,疵が深くなると破れるおそれもあります。
この欠点をカバーすることも兼ねている塗装です。最適であるかどうかは分かりませんが,皮膜自体に厚みと強度がありそうなペンキを内外部に塗ってみました。
(右写真)塗装が終わり,ほぼ乾いた紙筒と背板です。使用した塗料は「屋内外の金属・木部用水性ペイント」でチョコレート色です。

組立 紙筒を背板に帯板(カラー鉄板)で固定するだけですから組立は簡単です。

(右写真)帯板が紙筒を強く締めているので紙筒は背板に密着して全く動きません。

(6) 使用中の棒材/整理筒

工作室の整理棚も2×4材で作りましたので整理筒の背板を同じ2×4材にしたことで納まりがよくなりました。
収容量は予想よりも多く直径10mm以下の真鍮棒が全て入りました。総重量はかなりになります。
紙製の筒は時間が経つと変質して脆くなるかもしれません。今のところは強度上での問題はありませんが・・・。

窓から内部を覗き指先で材料を移動させて必要な材料を見つけます。
材料の長さも大体分かり,短い材料は窓から取り出せます。長い材料は筒の上部から出せばよいと安易に設計しましたが考えに甘い所がありました。
それは長さ1mの筒から1mの棒材を引き出すには全体で2mのスペースが必要で,天井高が2m40cmの室内で窓の高さを眼の高さにすると長い棒は筒の上から取り出せないことになります。

 

棒材/整理筒



棒材/整理筒