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  併用軌道  設 計

(1) この「併用軌道」の使用条件

● 野外に設置する「併用軌道」ではなく,屋内の床の一部にレールを通すだけなので降雨や土砂の心配がありません。材料はすべて普通のもの(木材)で作ります。

● 「併用軌道」部分は床に固定せず,鉄道連絡船の桟橋の様に上下可動式にします。これは予備の線路を接続して駅舎内を通り抜けて車輌を外部に搬出するときに使います。

(2) 併用軌道の設計

床の一部として人が歩ける強度があり,取り外しの出来る軌きょうにするために,SPF 2×4材を2本平行に並べて「すのこ」状の台を作り,この台が路盤と枕木を兼ねます。
SPF材の中から狂いの少ない板を選び「すのこ」にします。集成材やラワンの一枚板にすることも考えましたが,厚さ3cm以上の1枚板では価格が2×4材の数倍になります。合板類は価格が安く狂いもないのですが,どうしても厚さが不足するので車輌通過時に乾いた音が出る恐れがあります。

製作する線路は3インチ半と5インチゲージの3線軌条で,断面は下図の様になります。
レールをSPF材に直接ネジ止めするだけなので最も単純な形で路盤とも一体化した軌きょうです。

A 2×4−SPF材
B 厚さ3mmベニヤ板
C 厚さ15mmラワン材

(注) ベニヤ板Bはレールを固定しているトラスネジ(犬釘に相当)の頭部とレール底部を避けてラワン板を載せるためのスペーサーです。

 

(3) 3層構造で踏み板を作る

レールと同じ高さになる厚い板があれば踏み板としてレールの間に敷けば簡単と思いました。
ところがレールの底部や犬釘の突起があるのでこの凹凸部分を避けなければぴったりとレールの間に板を嵌め込むことができません。
レールと踏み板を密着させる方法として思いついたのが,加工が楽なスペーサーを挟む作り方で,3層の構造にします。

下図は3層構造を下から順番に一層ずつ描いたものです。図は平行に2本並べた2×4材の一部について描いてあります。

(T図) 2×4材(A)の上にトラスネジでレールを取り付けます。

(U図) レールの底部を避け,ネジの頭の位置を切り抜いたベニヤ板(B)を張ります。

(V図) ラワンの板(C)をレール間に取り付けます。

 

(4) スペーサーと踏み板の形

B,Cの板は各々3通りのサイズで4枚ずつになります。数値はフランジ通過範囲が4mm,直線レールの場合です。

厚さ3mmのベニヤ板(B)はカッターナイフで切り取ることが出来るので ,ベニヤ板を使わずネジの頭の部分をラワンの板(C)をくり抜いて作るのに比べて,かなり作業効率が良くなります。

B,C=2層の板の厚さについてはそれ程厳密ではなく,
    〈ベニヤ板+ラワン板の厚さ=レールの高さ〉
であれば良いので,在り合わせの板を調べて,レールの高さ18mmになるように組み合わせました。

 

 


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