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 振り分け分岐器
転轍機構

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デュアルゲージのポイントの切り換えはトングレール5本を連動させて動かさなければなりません。
模型の転轍方法は実物とは異なるはずなので,独自の構造を考えて製作してみました。
(1) 転轍の機構

構造を考える上で重視したのは次の2点です。

  作動の確実性 林間では強い風雨(水没)や砂塵,氷雪に耐える機構でなければなりません。信頼性の点から機械的に手動で転轍するようにしました。
防水・防塵が必要な電気的な部分は信号機回路と遠隔操作など補助的な役割にとどめます。

安全性 誰でも運転できるためにはポイントの切り換えにミスがあっても脱線しない構造にする必要があります。 分岐器に不適切な方向から進入しても安全に通過させるようにしました。

矢印(→)は基準線を車輌が通過するときの転轍方向です。分岐線を通過する時には逆方向に動かします。

(2) 外部からの力の伝達(上記概略図※1参照)

可動範囲内で適切な大きさの力をトングレールに加える構造が必要です。スプリングを介して外部からの大きな力でも軽減して伝えます。
この部分の製作は簡単で,外径6mmの真鍮パイプ(外筒)の中に径5mmのステンレスバネを入れ,軸受を兼ねる5mmパイプで蓋をするだけです。バネの中央と軸,真鍮外筒と蓋を半田付けで固定します。(下記,注)
(右写真) 一番上が完成品,下の3点が外筒,バネ,蓋(パイプ)です。これ以外に反対側の蓋を加えた4点と軸で作ります。

(3) 同位相で動くトングレール(上記概略図※2参照)

トングレールA(5インチゲージ)とB(3インチ半ゲージ)とを直接つな いだ場合,A,B間を正しい間隔に調整しないと圧着力に差が生じ ます。

そこでA,Bに力を等しく配分し,基本レールに圧着させる構造になっています。

(左写真)3本の トングレールを連結する転轍棒はいずれも関節構造にし,間隔が調整できる構造にします。ここを固定すると番数の小さな分岐器ではスムーズに動きません。
3インチ半トングレールの間(上と中央Bのレール間)の転轍棒はネジで間隔を調節し,A,Bの間は自動調節です

 

(4) 逆位相で動くトングレール(上記概略図※3参照)

2つのトングレールC,Dは逆位相(位相差180°)で動かす機構が必要です。
また,このC,D部分は不適切な方向から不正進入があると正真正銘の脱線ポイントとして機能します。
これを避けるためにC,Dは車輪によって自動的に転轍させなければなりません。

(右写真)レール上の車輪通過 は青矢印()は適正,赤矢印()は不適正な状態です。
いま,赤矢印(
)の進入車輪があるとフランジ内面 の横圧でDを押し開き,この力でCが閉じる非常手段の構造です。もちろん青矢印()方向が不適正な場合も機能します。

(左写真)上記のトングレールDの動きを拡大してCを確実に連動させるために,Dの外側にフランジ内面を受ける凸形の真鍮板を取り付けました。
この場所を通過するのは3インチ半ゲージ車輪のみなのでフランジ通過範囲を3.8mm(そばな高原鉄道の規格)にしてあります。

 製作メモ  材料費・・・・ 真鍮丸棒・角棒,真鍮板,真鍮パイプ等 約1000円 ,ステンレス押しバネ 232円,ネジ類 約150円  転轍機構合計,約1400円

外部からの転轍操作 手動でのポイントの切り換えにフレキシブルなワイヤーシャフトを使うことを思い付き,離れた場所から転轍できるように設計してみました。したがって手動レバーを操作しやすい位置に設置 したり,防水が完全な場所に置けば電動装置を手動と併用させることも可能です。

 上記(2)のステンレス(バネ)には半田が付着しませんが,半田を真鍮の軸に盛ってバネを固定することは出来ます。
分岐器 転轍機構

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