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 4  箱根登山鉄道

箱根登山鉄道は小田原-強羅(神奈川県箱根町)間を結ぶ山岳鉄道で,車輪の粘着力だけで1000分の80(80パーミル)の急勾配を登る鉄道として有名です。

軌道は全線単線で,小田原から箱根湯本までは緩やかな登りですが,箱根湯本を過ぎると急勾配になり,スイッチバックが3ヶ所,最小半径30mの急カーブが 6ヶ所あり,カーブでは摩擦を減らすためにレールに水を撒きながら通過する,というのも大きな特徴です。

(左写真)小涌谷(こわきだに)駅で(単線)行違いのために停車中の強羅(ごうら)行,クモハ1003号車.対向車より撮影

この急カーブ,急勾配は模型鉄道にも共通する条件で親しみを感じるし,必然的に運行が低速で,車中から鉄道施設や標識などが手に取るように観察出来ます。

(右写真)80パーミルの勾配標,運転室の後方より撮影
箱根登山鉄道のもう一つの特徴は,小田原-箱根湯本間に小田急電鉄の車輌が乗り入れていることです。軌間1435mm(登山鉄道)と1067mm(小田急)のデュアルゲージ区間が6.1kmあります。

(左写真)小田急線と箱根登山線の接続部です。ここから,3本レールが始まります。写真の小田急線電車 は渡り線を通り,写真右隅のレールに入線しました。小田原駅ホームより撮影

この区間に乗り入れる小田急線の車輌は東京・新宿からほぼ10分間隔で直通運転されている急行,特急(愛称ロマンスカー)が多く,かなり長い編成です。

一方,箱根登山鉄道の車輌は(急カーブ通過のため)路面電車を思わせる短い車輌が2,3輌編成というのが面白い対比です。

小田急線の最新車輌がゆっくりと単線区間を走る。ホームの短い風祭(かざまつり)駅では湯本寄りの1両だけを駅員が手動でドアを開閉する。こんな風景が日常的に繰り広げられていることを,反対側の終点/東京・新宿側で忙しく乗降する利用者(私もその一人)は想像もしていません。

(右写真)箱根登山鉄道・入生田(いりうだ)駅の下り線ホームで上り線電車を待ち合わせている(単線区間の為)間にホームに出て撮ったデュアルゲージの分岐器です。前方が箱根湯本です 。
そばな高原鉄道は実際の鉄道を手本にしながら作りたいと考えているので,デュアルゲージが実際の鉄道に存在しないものであれば,作る楽しさは半減します。
その点で,箱根登山鉄道にはデュアルゲージ,スイッチバック,三線分岐器など,高原鉄道に取り入れたいもの,イメージをふくらませるものが随所に見られます。

(左写真)上大平台信号場のスイッチバック.左線路を上ると宮ノ下駅に,右線路を下ると大平台(おおひらだい)駅 (スイッチバックの駅)に達します。
 
箱根登山鉄道は懐かしさを感じさせる鉄道であり,鉄道で働く人々,設備,景観など鉄道の原風景が色濃く残されていると思います。

(左写真)終点強羅(ごうら)駅に登ってきたモハ104号車.到着後,写真中央に立っている4本の給水栓から,摩擦を減らすための水がタンクに供給されました。
2004.4.記

新宿−箱根湯本間の直通急行が無くなるなど,運行状況が変わり現在は上記と異なるところがあります。(2011.2 追記)

 

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