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隧道内の線路の形(円筒の軸に内接する円軌道)

 そばな高原鉄道のトンネルは長さ2.5mのヒューム管を繋ぎ合わせて緩く弧を描くように造られています。
 このヒューム管の形は直円筒なので管の接続部には角ができ,滑らかな円形(ドーナツ形)ではなく,大袈裟に言えば多角形のトンネルになっています。
 一方,内部のレールは曲率の変化を最小に抑えた滑らかな曲線としたいので,ヒューム管トンネルの多角形にマッチした円弧を考える必要があります。

 面倒なことを言わずに現物合わせで作れば良いと思われるかもしれませんが,天井高120cm,長さ17.5mのトンネル内では,<軌きょう>を製作したり,腰を屈めて奥の方まで出入りする作業は並大抵ではありません。
 
(設計上のトンネルの曲線半径は分かっていますが,設計と現物には相違がある筈で設計値で製作 しても上手くいきません。)

そこで ヒューム管の中心軸の折れ曲り度の測定から,最適なレールの曲線半径を求め,軌きょうは組立から最終調整まで外部で済ませてしまうことにしました。

ここでの「最適なレールの曲線」とは,右図のようにヒューム管の中央点a,bでヒューム管の軸に内接する円と考えています。
ヒューム管(円筒)の軸上の2点a,bにレールを通しますと,c点は壁際に片寄ってしまいます。
そこで,実際の敷設は全体のバランスが良くなるようにやや半径を大きくしたカーブで,全体のバランスをとりながらヒューム管のほぼ中央をレールが通るように少しずらして設置します。

レールの曲線半径Rを求める考え方は次のようになります。

(1) ヒューム管の中央の点a,b間の距離 Lを測定し,a,bを通る2本の軸の交点Pを求めます。

(2)PQ間の距離PR間の距離を適当な値に決めXとします。
このXに対応するQR間の距離Yを測定します。

(3) レールの描く円の半径をR,円の中心をOとしますと,図形的な関係より,
                   α=∠QPR=∠aOb
となりますから,扇形PQRと扇形Oabは相似となり (X/Y)=(R/L)が成り立ちます。
したがって,半径Rは  R=(XL/Y) と計算されます。

上の説明で,ヒューム管(円筒)の軸を決めたり,軸の交点Pを求めるなどと,大変な手間と思われますが,実際の測定は至って簡単です。

右図のように,ヒューム管の軸の交点P(図の赤字P)を継ぎ目の位置(図の黒字P)に移動して考えれば,Q,Rの位置は ヒューム管内で簡単に決まり,距離XYを巻尺で測ります。(ヒューム管A,Bの内壁または内壁の延長線が2つの軸PQ,PRに相当します。)

また,ヒューム管の中央の点a,b間の距離Lの測定はαが小さな角度の場合は測定の必要が無く,L(ヒューム管の長さ )となります。

この方法はトンネル内の軌道設計のために考えましたが。2本のレール[a-P,b-P]間を滑らかにつなぐ(内接する)円形レールを作る際にも利用できると思います。

作図上では簡単に描ける軌道も,野外工事を行う庭園鉄道では軌道を正確に地面に描くのが難しい事がよくあります。
そのような場合の解決方法を考えるのも自作(自分で造る/創る)の楽しさの一部です。

トンネル内の円軌道について,旧記述(2005.3.記)では点cの位置を計算から求めて線形を決めておりましたが,cの位置を決める必要が無い場合が多く,より単純な方法に内容を変えました。

(2007.8.記)

 

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